概要

全般

 神戸空港は建設費の大半を神戸市が拠出して建設された国内3番目の市営空港である。2006年2月16日の開港日から2018年3月31日まで神戸市によって運営されていたが、同年4月から関西空港・伊丹空港を運営する 関西エアポート(株) の子会社である 関西エアポート神戸(株) が運営を担っている。

 開港にあたっては、関西3空港懇談会で「150万都市神戸及びその周辺の国内需要に対応する地方空港」という位置づけがなされ、関西空港の経営を優先するという目的の下、地方空港では異例となる厳しい運用規制(発着枠・運用時間・国内線限定)を課されたまま開港を迎えることとなった。しかし、利用者や航空会社から神戸空港の利用拡大を望む声は多く、開港以来神戸市・兵庫県は国に運用規制を撤廃するように陳情を続けていた。

 開港後も関西3空港懇談会は開かれ、2010年4月には神戸・伊丹の役割が「関空を補完する空港」と再び位置付けられたが、規制撤廃・緩和に至ることはなく、利用者の利便性向上・3空港の効率的な運用を目的として、3空港の一元管理を目指すことで一致した。3空港の一元管理は、利害関係解消のために有効であり、運用規制の撤廃・緩和を目指す神戸市にとっても悲願であった。その後、2012年7月に伊丹・関空が関西エアポート(株)のもと経営統合、それから遅れること6年弱、ついに2018年4月から神戸空港も関西エアポート(株)の傘下に入り、関西3空港の一元管理が実現した。2018年12月・2019年5月には再び関西3空港懇談会が開催され、長年の懸案であった神戸空港の規制緩和が決定した。

 前述の運用規制から、定期便については現在国内線のみに制限されているが、国際ビジネスジェットを対象とした税関や入国管理・検疫などを扱う出入国審査室が旅客ターミナルに設けられている。しかし、ビジネスジェット到着時に関係職員が臨時的に対応するようになっているため、利用申請が入国時で2週間前までと早く、また対応時間も平日の8時30分-17時のみに限られており、利便性は高いとは言えない。2012年4月には植物検疫法と家畜伝染病予防法に基づく指定空港に指定され、国際ビジネスジェットの生ごみが空港内で焼却処分できるようになった。

 空港への鉄道アクセスはポートライナーが担っており、各私鉄・JRが集まる三宮駅から18分で結ばれている。加えて、神戸空港駅から旅客ターミナルビルへは数メートルの連絡通路で結ばれており、動線の短さは日本屈指である。大阪駅からでもJRとポートライナーを使えば1時間以内のアクセスが可能であるなど、関西各都市からの利便性にも恵まれ、1時間以内にアクセスできる人口(1時間利用圏域人口)は約1000万人とのデータも存在する。近年、ポートアイランド内へ大学・企業の集積が進んだことで、ポートライナーの激しい混雑が問題となっており、神戸市は空港利用者のバスへの誘導、更にはポートライナーの8両編成化・快速運転の検討を進めている。

 関西空港との間には高速船のベイシャトル(所要時間約30分)が運航されており、神戸側から関空へのアクセス手段として、また両空港間の乗り継ぎ手段として浸透している。ベイシャトル利用者は神戸側の駐車場が無料となるなどの特典がある。2018年の台風21号で関西空港が孤立した際には、関空島からの利用者救出にベイシャトルが活躍し、関空への唯一の海上ルートとして脚光を浴びることとなった。

 空港利用者向けの駐車場は開港以来徐々に拡張され、2019年4月現在で2,078台分(第1駐車場1,488台、第2駐車場590台)確保されている。航空機利用者は最初の24時間無料、以降24時間1000円(航空機利用者以外は1時間150円、24時間1500円)と比較的安価な上、空港連絡橋の通行料も無料であるため、自家用車の利用は多く、駐車場は常に混雑が見られる。

 開港当初、岡山・姫路・岡山・OCATなど各地へのリムジンバスが存在していたが、想定以上にポートライナー・自家用車に利用客が偏ったことで廃止が相次ぎ、他の空港では類を見ないほどリムジンバスの路線網が貧弱である。民営化を機に、2018年4月からは新幹線の乗り継ぎ客をターゲットとした神戸空港ー新神戸線の運行が開始された。

 建設費を抑えるため、旅客ターミナルビルは非常にコンパクトにできているが、ターミナルビルの隣接地には拡張用地が確保され、将来的に増築が可能な設計となっている。また、空港連絡橋についても、現在は車道片側1車線+歩道1車線で運用されているが、将来的に歩道部分を撤去し、片側2車線道路に変更できる設計となっている。

着陸料・停留料

 2018年3月までの神戸市による運営下での着陸料および停留料は以下のとおりであった。また、着陸料の減免(沖縄便は1/6、地方路線初便は1/2、それ以外の便は2/3に減免)や停留料の減免(ナイトステイ便は1/2に減免)など、利用促進のための特例も存在した。

 2018年4月から運営を担っている関西エアポート神戸(株)もこれに準じた着陸料・停留料・減免特例を継続しているが、限られた発着枠の下で収入を最大化するため、大型機に対する着陸料を優遇する検討を進めているとみられる。詳細は関西エアポート神戸(株)のホームページから神戸空港供用規程を参照されたい。

着陸料・停留料(2018年3月まで)
区分 金額
着陸料 1 ターボジェット発動機又はターボファン発動機を装備する航空機については,航空機の着陸1回ごとに,次に掲げる金額の合計額
(1) 航空機の重量(当該航空機の最大離陸重量をいう。以下同じ。)をそれぞれ次の各級に区分して順次に各料金率を適用して計算して得た金額の合計額
ア 25トン以下の重量については,1トンごとに1,100円
イ 25トンを超え100トン以下の重量については,1トンごとに1,500円
ウ 100トンを超え200トン以下の重量については,1トンごとに1,700円
エ 200トンを超える重量については,1トンごとに1,800円
(2) 国際民間航空条約の附属書16に規定するところにより測定された離陸測定点と進入測定点における航空機の騒音値(当該騒音値のない航空機にあっては,当該航空機について,その製造国の政府機関の公表しているこれに準ずる騒音値)を相加平均して得た値(1EPNデシベル未満の端数があるときは,1EPNデシベルとして計算する。)から83を減じて得た値に3,400円を乗じて得た金額
2 その他の航空機については,航空機の着陸1回ごとに,航空機の重量をそれぞれ次の各級に区分して順次に各料金率を適用して計算して得た金額の合計額
(1) 6トン以下の航空機については当該重量に対し1,000円
(2) 6トンを超える航空機
ア 6トン以下の重量については,当該重量に対し700円
イ 6トンを超える重量については,1トンごとに590円
停留料 6時間以上空港内に停留する航空機について,空港内における停留時間24時間(24時間未満は,24時間として計算する。)ごとに,航空機の重量をそれぞれ次の各級に区分して順次に各料金率を適用して計算して得た金額の合計額
1 23トン以下の航空機
(1) 3トン以下の重量については,当該重量に対し810円
(2) 3トンを超え6トン以下の重量については,当該重量に対し810円
(3) 6トンを超え23トン以下の重量については,1トンごとに30円
2 23トンを超える航空機
(1) 25トン以下の重量については,1トンごとに90円
(2) 25トンを超え100トン以下の重量については,1トンごとに80円
(3) 100トンを超える重量については,1トンごとに70円
備考
1 航空機の重量に1トン未満の端数があるときは,1トンとして計算する。
2 消費税法(昭和63年法律第108号)第7条の規定により消費税を免除することとされた航空機以外の航空機にあっては,当該着陸料等の額にそれぞれ100分の108を乗じて得た額を着陸料等の額とする。
3 着陸料等の額に1円未満の端数があるときは,その端数金額を切り捨てる。

神戸空港条例(神戸市)より引用

施設概要

全館地図 空港施設
種別 地方管理空港
設置者 神戸市
開港日 平成18年2月16日
運用時間 7時~22時(15時間)
位置 兵庫県神戸市
標点位置 N34°37' 58'
E135°13' 26'
標高 5.6m
用途地域 工業、準工業、市街化調整
総面積 1,564,954㎡
総事業費 3,140億円
消防能力 CAT9
着陸帯 2,620m×300m/B級
滑走路 2500m×60m/LA-1
N84°36' 36" E(真方向)
誘導路 延長2,677m
エプロン面積 114,950㎡(拡張部含まず)
運航 最低気象条件 進入方向/09
進入方式/ILS(CAT1)
MINIMA/223-RVR550(CAT1 ILS)
滑走路方位及び使用頻度 正進入09/概ね70%強
副進入27/概ね30%弱
ウインドカバレッジ 15(kt)/概ね98.5
20(kt)/概ね99.6
航空保安施設 無線 VOR DME LLZ GP ATIS
照明 PALS SALS ALB CGL REDL STWL RTHL RCLL RTZL PAPI TEDL TCLL ABN WDIL
(電源設備6.6kv/543kw)
附属施設 管制塔庁舎 1,995㎡
管理事務所 427㎡
消防庁舎 704㎡
電源局舎 784㎡
駐車場 1,250台分(開港当初)
旅客ターミナル 15,200㎡(増築部含まず)
貨物ターミナル 2,257㎡
構内道路 38,500㎡
給油施設 レフューラー方式貯油タンク 3基/1,500kl

エプロン 機種 バース数
大型ジェット 4(ノーズイン方式 3,4,5,6番)
中型ジェット 3(ノーズイン方式 1,2,7番)
小型ジェット 2(ノーズイン方式 8,9番)
プロペラ機 0
小型機 1(自走式 10番)
10

飛行ルート

 関西空港の出発機・到着機との干渉を避けるため、神戸空港の出発機・到着機は必ず明石海峡付近を通過する。

 出入経路が西側に限定されているため、進入方式についてはRWY09側にILS進入とVOR進入、RWY27側には周回進入のみしか存在しないという特殊な設定となっている。

 また、空港西側にはVFR機の飛行を禁止する神戸特別管制区(PCA)が設定されている。特別管制区の設定は地方管理空港においては異例の措置である。

出発
●環境上及び管制間隔設定上の理由により、離陸後は明石海峡に向かって飛行するルートを設定。
●東京方面、東北・北海道方面はその後、播磨灘において北に変針をするが、航空交通の状況によりその手前で北上させることがある。
●北部九州方面は小豆島付近を通過後、西方に向かう。
●南部九州、沖縄方面は淡路島西方において南西に変針し、高知方面に向かう。
出発経路

到着
●東京、東北・北海道方面からは、兵庫県中部付近より南下し、海上で旋回をして明石海峡に向かい、その後、西から進入する場合は直線的に進入し、東から進入する場合は空港の南側を旋回し着陸する。
●九州・沖縄方面からは淡路島南西部を通過後、播磨灘で旋回し明石海峡に向かう。その後は東京、東北・北海道方面からの到着と同経路。
到着経路