トキエア、神戸でも就航準備開始か

設立準備が進められているトキエアのサイト(出典:TOKI Aviation Capital 株式会社公式サイト)

2022年度の運航開始を目指している『トキエア』社が運航する調査機(機番:JA8600)が、5月24日に神戸空港へ飛来していたことが分かった。

同社は今回の飛来目的等を公表していないが、就航に向けて飛行ルートや空港特性の調査を行っていた可能性がある。

TOKI Aviation Capital 株式会社(公式サイト)

目次

『トキエア』とは?

『トキエア』とは、新潟空港を拠点として各地への路線展開を目指している格安航空会社(LCC)である。これまで、成田・関西など大きな空港を拠点とするLCCは多数設立されてきたが、比較的小さな地方空港を拠点とするLCCは前例がなく、新潟県の期待も大きい。

これまでの報道によると、同社は新潟空港を拠点に佐渡島・仙台・愛知エリア・関西エリア・関東エリア・札幌エリアの計6路線への就航を計画。ATR社のターボプロップ機2機のリース仮契約を既に済ませ、2022年度の運航開始を目指している。

この『トキエア』について特筆すべきは、新潟空港が拠点であるという点と、小型のATR機(48席または70席程度のターボプロップ機)を用いるという点である。

特に後者は、従来のLCCのビジネスモデル(180席程度の小型ジェット機を用いた多頻度運航)からは大きく乖離しており、事業の採算性について多くの関係者が注目している。

成田ー佐渡島では試験飛行も

25日、新潟日報はトキエアの試験飛行が成田空港と佐渡空港間で行われたと報じている。試験飛行は成田ー佐渡間の飛行ルートの確認や佐渡空港の空港情報を収集するために行われたという。

 新潟空港を拠点に小型機で地方間を結ぶ計画を進める格安航空会社(LCC)「トキエア」が24日、成田-佐渡間を初めて試験飛行し、ルートや佐渡空港(佐渡市秋津)などを調査した。佐渡空港に降り立った長谷川政樹社長は「小さい空港だが、トレーニングを重ねて、きちんと着陸させたい」と意気込みを述べた。

LCCトキエア、佐渡へ試験飛行 成田から初 2022年運航開始目指す(新潟日報モア)

神戸に同機が飛来したのは、この試験飛行の後とみられ、旅客機などの位置情報を確認出来るflightradar24のデータによると、5月24日19時頃に成田空港を離陸し、20時40分頃に神戸空港へ着陸。翌日の25日、神戸空港から八尾空港に向けて出発している。

トキエアが調査飛行に使用した調査機の航跡(出典:flightradar24)

神戸の発着枠は残り2枠

就航地に挙げられた関西エリアについて、同社は具体的な就航地を明らかにしていないが、中でも都市部からの利便性が高い神戸への就航が有力視されている。

だが、神戸空港の発着枠は2021年夏ダイヤで既に40枠中38枠が埋まっており、同社が参入するためにはこの2枠に滑り込む必要がある。そのため、これからの既存他社の動向次第では神戸側の発着枠がネックとなる可能性も否定できない。

コロナ禍で航空需要の低迷が続く中、『トキエア』が無事に就航を迎えられるかは依然として不透明である。しかしながら、新潟県からの期待度はもちろん、従来のLCCとはまた違ったビジネスモデルであることから航空業界全体からも注目度は高く、今後も目が離せない。

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