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神戸空港~夢洲は空港を結ぶ唯一の海上航路となるか!?最新の万博来場者輸送方針が発表!

候補とされている水上交通の航路

日本国際博覧会協会は26日、2025年の大阪・関西万博会場への来場手段として、水上交通を整備する方針を示した。想定されるルートとしては、神戸空港ー夢洲など12航路が挙げられており、今後同協会が具体化に向けて更なる調整を進める方針だ。

第2版で盛り込まれた水上交通

万博開催期間中は、会場の夢洲へ多くの来場者が見込まれることから、「2025年日本国際博覧会来場者輸送対策協議会」が来場者の円滑な輸送を実現すべく輸送方針の検討を行っている。

2022年10月には「来場者輸送具体方針(アクションプラン)初版」が公表され、バスや鉄道での輸送方針が示されていたが、水上交通・空飛ぶクルマなどの具体的な記載は見送られていた。しかし、この度発表された「来場者輸送具体方針(アクションプラン)第2版」には、水上交通の輸送方針が明記され、以下の12航路が対象として挙げられている。

検討状況航路
実現に向け調整を進める航路
(進捗度:高)
神戸港~夢洲
淡路島~夢洲
神戸空港~夢洲
天保山~夢洲
ユニバーサルシティポート~夢洲
夢洲発着の遊覧
大川・安治川等~夢洲
実現に向け調整を進める航路堺旧港~夢洲
淀川(十三)~夢洲
検討を継続する航路関西空港~夢洲
尼崎~夢洲
堺2区~夢洲
検討が進む水上交通航路の候補

空港を結ぶ唯一の航路となるか

神戸空港・関西空港における唯一の海上航路であるベイシャトル

先程の12航路のうち、神戸空港~夢洲/淡路島~夢洲など7つの航路については調整の進捗度が高く、「実現に向け調整を進める航路」とされた。その一方、関西空港~夢洲/尼崎~夢洲などの航路については「検討を継続する航路」とされている。

特に、関西空港~夢洲間は海外からの来場者が多く移動すると想定されるが、同空港から夢洲まではシャトルバスの運行が予定されている。そのため、所要時間や便数の面で水上交通を開設するメリットが低いと判断されているようだ。(尼崎~夢洲や堺2区~夢洲の区間についても同様である。)

一方、神戸空港~夢洲間に関しては、現時点でシャトルバスの運行は予定されていないが、神戸空港は直線距離で万博会場に最も近い空港であり、万博期間には国際チャーター便の受け入れも予定されている。このことから、水上交通による移動需要は一定程度見込まれており、実現すれば万博会場と空港を結ぶ唯一の海上航路となる可能性も高い。

採算面などの課題は多いが…

海上航路の利便性向上を図るため、神戸空港では海上アクセスターミナルと空港駅・ターミナルビルを結ぶ連絡通路の整備が検討されている

この度、水上交通が輸送方針に明記されたものの、事業者からは採算面で難しいという声も上がっている。そのため、無事に運航事業者が確保できるか現時点では不透明であり、仮に運航事業者が確保できた場合でも、定期航路としての運航ではなく、チャーターのような形式での運航となる可能性もある。

現在、神戸市は神戸空港からウォーターフロント方面への海上航路や、須磨水族園のリニューアルに合わせた須磨海岸方面への海上航路の新設も検討を進めている。しかし、これらの航路を実現する上でも、空港の運用拡大や海上航路の利便性向上による採算性の確保は欠かせない。

2030年前後には神戸空港での国際定期便の運用が予定されているほか、同時期に夢洲でIR(統合型リゾート)の開業が控えており、ベイエリアの各施設と空港間の移動需要は今後一層の伸びが予想される。万博会場への海上航路の新設は、今後神戸空港発着の水上交通を充実させる上での試金石となるだろう。

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