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将来像

海底トンネル?新フェリーターミナル?神戸ー関空間のアクセス改善策とは

神戸ー関空間を約30分で結ぶベイシャトル

現在、神戸空港と関西空港との間には高速船「神戸ー関空ベイシャトル」が運航されており、神戸空港から関西空港へのアクセスに加え、神戸・関西両空港間における乗り継ぎの利便性向上を図っている。

しかし、この海上アクセスはまだまだ改善点が多く、利用者の更なる上積みには更なる利便性向上が欠かせない。

K-JETから生まれ変わった海上アクセス

K-JETの旧ターミナルは現在オフィスビルとして利用されている

神戸空港の開港に合わせて開業した神戸ー関空ベイシャトル。その歴史は前身のK-JETに始まっている。

K-JETとは、かつて神戸と関西空港を結んでいた海上アクセスの事である。K-JETでは、ジェットエンジンによる推進力を利用した水中翼船(通称:ジェットフォイル)で運航され、神戸のポートアイランドと関西空港を約25分で結んでいた。

長年、神戸方面から関西空港への海上アクセスを担ってきたK-JETであったが、リムジンバスとの競合や関西空港自体の伸び悩みから利用者は年々減少。運航に伴う赤字も大きく膨らんでいたことから、2002年2月で事業を休止していた。ベイシャトルは、これを引き継ぐ形で開業したのである。

事業再開に際しては、ジェットフォイル船から高速船での運航に切り替えるなど、採算性の改善も行われていたが、依然としてリムジンバスとの競合が激しく、当初はK-JETと同様に需要予測を大きく下回っていた。

しかし、その後の旅行会社へのPR活動や駐車場の無料化などが功を奏し、乗客数は増加傾向に。2009年度からは黒字を確保できるまでになった。2011年度からは補助金頼みの経営から脱するため、運賃改定を行っていたが、前身のK-JETが抱えていた累積債務を返済できるまでの財務状況には至らず、2012年2月民事再生法を適用し、累積債務を解消している。

ベイシャトルの利便性改善策

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関西空港側においてはターミナルまで連絡バスの利用が不可欠

このように、ベイシャトルは神戸方面から関西空港へのアクセスとして徐々に定着しつつあるが、更なる利用促進には関西空港側の利便性向上が欠かせない。

現状、関西空港側のベイシャトルが発着する海上アクセスターミナルは、空港の旅客ターミナルから大きく離れており、利用者は連絡バスでの移動を余儀無くされているためだ。(神戸空港側でも、空港の旅客ターミナルとは直結していないが、徒歩での移動は可能である上、利用者向け駐車場も隣接している。)

この関西空港側の「連絡バスでの移動」を無くすことが出来れば、他交通機関とほぼ互角に戦うことが可能となるため、兵庫県は「旅客ターミナル(関空島中央に位置するエアロプラザ)への直付けターミナルの整備」を度々要望。しかし、関西空港における海上アクセスは、現時点でベイシャトル以外に存在しないことから、海上アクセスの利便性向上に対する投資は一切行われていないのが現状である。

2025年度には大阪・関西万博の開催が予定されており、それに伴って関西空港ー万博会場間の海上航路開設についても検討が進む。関西空港の貧弱な海上アクセスの利便性向上をどれだけ真剣に考えるか、関西エアポートの本気度が問われている。

関西空港における海上アクセスターミナルの位置

費用対効果には疑問符?関空リニア構想

余談ではあるが、神戸空港と関西空港との間に「海底トンネルを建設し、リニアモーターカーを走らせる」構想も存在する。

この構想は、前兵庫県知事・井戸氏によって度々提唱されており、関西3空港シンポジウムなどで触れられている。実際に、神戸空港ー関西空港間にリニアが建設されれば、両空港を短時間で移動することが可能となり、今後も現状の内際分離運用が続いたとしても内際の乗り継ぎ利便性は遥かに向上する。

ただ、総事業費は7,000億円以上と試算されており、費用対効果の面でも実現の道のりは遠いと言わざるを得ない。

また、2010年には兵庫地域政策研究機構が大阪湾国際空港案を提言。その概要は、神戸空港ー関西空港間に海底トンネルを建設、リニアモーター方式の地下鉄を通し神戸空港と関空を約15分で連携させ、大阪湾国際空港として一体運用するというものであった。総工費は5,200億円と試算されている。

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