神戸市は15日、神戸空港島の将来ビジョンの策定のため、公募型プロポーザルを実施すると発表した。神戸空港では国際化・発着枠の拡大を控え、空港島の土地利用が大きく進んでおり、市は空港島の将来ビジョンを策定することで戦略的な土地の利活用を図る方針だ。プロポーザルの概要・スケジュールは以下の通り。
・業務概要
神戸空港の国際化・発着枠拡大を契機に、神戸空港島の戦略的な利活用を図るため、ウォーターフロント再開発をはじめとする周辺プロジェクトとの連携を含めた空港島の立地環境の調査・分析、国内外の事例調査、民間事業者や有識者との意見交換等を踏まえ、今後の神戸空港を含む空港島の土地利用のあり方や導入する機能を検討し、「神戸空港島将来ビジョン」としてとりまとめる。
・業務内容
「神戸空港島将来ビジョン」策定に向けた基礎調査等を実施し、「神戸空港島将来ビジョン」のとりまとめを行なう。(神戸空港の国際化・大阪湾ベイエリアの開発に伴う環境変化や空港島の土地利用に関する市場ニーズを調査・把握し、空港島で必要となる機能・施設配置・空港島内の交通インフラ等の将来ビジョンを策定)
・委託期間:契約締結日から2024年2月29日まで
・契約上限額:25,000,000円(消費税及び地方消費税を含む)
・事業者選定・事業実施スケジュール
(1)公募開始 | 2023年6月15日(木曜) |
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(2)質問受付締切 | 2023年6月22日(木曜)午後5時まで |
(3)質問に対する回答 | 2023年6月28日(水曜)まで |
(4)参加申請関係書類の提出期限 | 2023年6月29日(木曜)午後5時まで |
(5)企画提案書の提出期限 | 2023年7月6日(木曜)午後5時まで |
(6)選定委員会開催 | 2023年7月10日(月曜)~12日(水曜) |
(7)委託候補者の決定・契約締結 | 2023年7月中旬(予定) |
(8)中間報告書の提出 | 2023年9月末まで |
(9)将来ビジョンのとりまとめ | 2023年10月末まで |
国際化の特集ページでも紹介しているが、現在神戸空港島に不足している代表的な機能としては、宿泊・商業機能が挙げられる。
空港島の対岸のポートアイランドには既に大型ホテルが立地しているが、空港島には宿泊施設が存在せず、空港利用者の宿泊需要には十分応えられていない。今後の国際化によって、利用者の集客・送客範囲は大きく広がることとなるため、フライト前後の宿泊ニーズは大きく伸びることが想定される。また、国際線は就航先空港の発着枠の関係で発着時間が深夜早朝となる事も多いため、深夜早朝時間帯の利用者増加も見越した宿泊施設の整備が必要である。
商業機能としては、空港利用者に加え空港利用者以外も集客できるような目玉となる施設の誘致が望まれる。神戸空港は都心から18分という好立地にありながら、空港機能以外に目玉となる集客機能が存在しない。対岸のポートアイランドには大型家具店など広域集客に長けた施設が立地しているため、これらの施設を利用するついでに空港へ足を運びたくなるような仕掛けづくりも空港の賑わい創出という観点で重要である。
神戸空港では万博会場・IR・須磨エリア等を結ぶ海上航路新設の検討が進んでおり、海上航路の拠点としての役割も重要度が高まっていることから、空港ターミナルビルと海上アクセスターミナルを結ぶ歩行者デッキの整備についても検討が進む。現在、空港島では国際化に向けてバラバラにハード整備が進んでいるが、今後は将来ビジョンをもとに全体的な整合性を取りながら施設整備を進めていかなければならない。