神戸市は15日、神戸空港島の将来ビジョンの策定のため、公募型プロポーザルを実施すると発表した。神戸空港では国際化・発着枠の拡大を控え、空港島の土地利用が大きく進んでおり、市は空港島の将来ビジョンを策定することで戦略的な土地の利活用を図る方針だ。プロポーザルの概要・スケジュールは以下の通り。
国際化の特集ページでも紹介しているが、現在神戸空港島に不足している代表的な機能としては、宿泊・商業機能が挙げられる。
空港島の対岸のポートアイランドには既に大型ホテルが立地しているが、空港島には宿泊施設が存在せず、空港利用者の宿泊需要には十分応えられていない。今後の国際化によって、利用者の集客・送客範囲は大きく広がることとなるため、フライト前後の宿泊ニーズは大きく伸びることが想定される。また、国際線は就航先空港の発着枠の関係で発着時間が深夜早朝となる事も多いため、深夜早朝時間帯の利用者増加も見越した宿泊施設の整備が必要である。
商業機能としては、空港利用者に加え空港利用者以外も集客できるような目玉となる施設の誘致が望まれる。神戸空港は都心から18分という好立地にありながら、空港機能以外に目玉となる集客機能が存在しない。対岸のポートアイランドには大型家具店など広域集客に長けた施設が立地しているため、これらの施設を利用するついでに空港へ足を運びたくなるような仕掛けづくりも空港の賑わい創出という観点で重要である。
神戸空港では万博会場・IR・須磨エリア等を結ぶ海上航路新設の検討が進んでおり、海上航路の拠点としての役割も重要度が高まっていることから、空港ターミナルビルと海上アクセスターミナルを結ぶ歩行者デッキの整備についても検討が進む。現在、空港島では国際化に向けてバラバラにハード整備が進んでいるが、今後は将来ビジョンをもとに全体的な整合性を取りながら施設整備を進めていかなければならない。