関西エアポート神戸は、神戸空港の搭乗者割引による駐車料金を値上げすると発表した。新料金は4月15日以降の出庫から適用される。(4月15日より前から入庫している車に関しては、4月1日以降の駐車料金から新料金での計算となる。)
開港以来、神戸空港では航空機の利用者を対象に、駐車料金の「搭乗者割引」を実施。同割引は、最初の24時間を無料、以降24時間毎に上限を1,020円(消費税改定前は1,000円)とするもので、伊丹・関空に比べて神戸空港の駐車料金は比較的低価格に抑えられてきた。
改定後の新料金では、最初の24時間が無料となる料金体系は継続するものの、搭乗者割引による24時間毎の駐車料金(上限額)が1,020円から1,530円に変更となり、24時間を超えた部分の駐車料金が一般料金と同額となる。
一般料金 | 搭乗者割引料金 | |
---|---|---|
入庫~1時間毎 | 150円 | 無料 |
10時間超~24時間まで | 1,530円 | |
24時間以降 (2024年4月14日までに出庫) | 1時間150円 以降24時間毎 の上限 1,530円 | 1時間150円 以降24時間毎 の上限 1,020円 |
24時間以降 (2024年4月15日以降に出庫) | 1時間150円 以降24時間毎 の上限 1,530円(注) |
(注)2024年4月15日以降に出庫する車両は、2024年4月1日以降における24時間毎の上限が1,530円となる。
ちなみに、今回の改定により、駐車日数によっては神戸空港の駐車料金が関西空港の駐車料金を上回るケースが発生する。そのため、これまでよりも神戸空港の駐車場の「お得さ」は薄れることとなる。以下、駐車料金のシミュレーションである。
駐車日数(時間) | 神戸空港 (搭乗者割引) | 関西空港 (KIX-ITMカード割引) |
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1日(24時間) | 0円 | 2,100円 |
2日(48時間) | 1,530円 | 3,450円 |
3日(72時間) | 3,060円 | 4,800円 |
4日(96時間) | 4,590円 | 6,150円 |
5日(120時間) | 6,120円 | 7,500円 |
6日(144時間) | 7,650円 | 8,850円 |
7日(168時間) | 9,180円 | 9,750円 |
8日(192時間) | 10,710円 | 10,650円 |
神戸空港では近年、繁忙期を中心に駐車場が満車となる状況が続いており、駐車場の容量不足が問題となっていた。更に、来年には国際化と国内線の増便が控えており、今後一層の駐車場混雑が危惧されている。
神戸市は、これに備えた当面の対策として、ターミナルビル東側への駐車場整備を計画しているが、駐車場の容量増加は限定的と見られ、抜本的な解決策とは言い難いのが現状である。当サイトでも指摘しているが、今後の利用者増加を見据えると、既存駐車場の立体化が不可欠と言わざるを得ない。
2月に開催された神戸市会の経済港湾委員会においても、市会議員から「駐車場の立体化」が提案されており、神戸市は関西エアポート神戸と協議の上、前向きに検討するとの姿勢を示している。今回、駐車場料金の改定に至った背景には、諸物価高騰の影響も少なからずあったと見られるが、こうした今後の投資に備える意図もあるとみられ、値上げを機として駐車場問題の抜本的な解決が待たれる。