
関西エアポート株式会社と株式会社ヒト・コミュニケーションズは25日、神戸空港で新たなグランドハンドリング会社「神戸エアポートアビエーションサービス株式会社」を設立すると発表した。新会社は、関西エアポートの子会社であるCKTS株式会社と株式会社ヒト・コミュニケーションズの合弁によって設立するという。CKTS社は昨年11月、神戸空港のグランドハンドリング事業※への参入を検討すると発表しており、神戸での事業展開について模索していた。
※グランドハンドリング事業…航空機が空港を発着する上で必要な地上支援業務のこと。業務内容は旅客・貨物のハンドリングから航空機の誘導・清掃など多岐にわたる。運航便数が少ない空港には自社のグランドハンドリングスタッフを配置しない事が殆どで、特に国際線はグランドハンドリング業務を他社に委託するケースが多い。
4月に予定されている神戸空港の国際化を巡っては、ターミナルビルの容量等の観点から国際化当初は4社のみ(単発チャーターを含めると現時点で計5社)に絞って運航される事が決まっているが、就航オファーとしては20社ほどの航空会社が名乗りを上げていたことが先日判明している。このような旺盛な需要の存在を背景とし、CKTS社は神戸でのグランドハンドリング会社の設立に踏み切ったとものみられる。(現在、CKTS社が神戸空港勤務の人員採用を進めている。)

現在、神戸空港ではスカイマーク・ANA(ANA大阪空港株式会社、コウノイケエアポートサービス株式会社)・FDA(株式会社SAS)の3社が自社もしくは関連会社によるグランドハンドリングを行っている。このうちスカイマークを除く各社は、国際線のハンドリングの受託実績も比較的豊富である。そのため、4月から神戸空港に参入する外資系航空会社4社のグランドハンドリングについては、主にこれら各社が受託する方向で調整されているとみられ、現在人員採用も進められている。
今回新たに設立される「神戸エアポートアビエーションサービス株式会社」は、今後新規参入する外資系航空会社の地上業務の受託を狙うとみられ、各社による受託競争が一層激化する事となるが、各航空会社にとってはグランドハンドリング会社の選択肢が多いことは望ましいことである。今後、神戸空港は2030年前後の国際定期便の運用に向け、国際線の発着が徐々に増加していくこととなる。メインターミナルの整備・エプロンの拡張等のハード面での拡充はもちろん、今回のようなソフト面の受け入れ基盤の拡充は今後の国際化の幅を広げる上で非常に重要な一歩である。