
エバー航空が神戸ー台北線を6月下旬に期間限定で増便する事が分かった。増便されるのは台北(桃園)空港を14時20分に出発する便と神戸空港を19時に出発する便で、増便期間は6月15日から6月30日の計16日間。現在、同社は神戸ー台北線を週3往復運航しており、今月下旬から始まるサマーダイヤにおいても同規模での運航を予定していた。
現在、神戸空港では中国路線の運休によって国際線の受け入れ体制に余裕が生じており、神戸市が受け入れ枠を利用して国際チャーター便を運航する航空会社を募集していた。この募集には、複数社が名乗りを上げていると報じられており、今後エバー航空以外にも増便・新規就航する航空会社が出てくるものとみられる。
アウトバウンドの利便性が大きく向上
エバー航空が運航する神戸ー台北線の6月15日~30日の運航計画は以下の通り。(赤字が増便)
| 便名 | 台北発 | 神戸着 | 運航日 |
|---|---|---|---|
| BR0134 | 06:20 | 10:00 | 月・水・金曜日 |
| BR0176 | 14:20 | 18:00 | 毎日 |
| 便名 | 神戸発 | 台北着 | 運航日 |
|---|---|---|---|
| BR0133 | 11:00 | 12:55 | 月・水・金曜日 |
| BR0175 | 19:00 | 20:55 | 毎日 |
現在、神戸空港と台北(桃園)空港を結ぶ便は、エバー航空とスターラックス航空の2社が合わせて週7便(エバー航空が週3便、スターラックス航空が週4便。運航ダイヤはコチラ)運航しているが、両社とも運航ダイヤが偏っており、台北発が朝6時台と非常に使い勝手の悪い時間帯となっている。特に、日本人観光客(アウトバウンド)にとっては、帰国便の出発時間が非常に早く、往復ともに神戸発着で旅程を組むことは現実的ではない状況なのだ。
今回、エバー航空が増便を計画しているのは台北空港を午後に出発する便であり、神戸発着で航空券を手配したいアウトバウンドの旅行者にとって非常に大きな選択肢となると考えられる。また、台湾からのインバウンドの旅行者にとっても、神戸・関西での滞在時間を長く確保できる事から、インバウンド・アウトバウンド双方にとって非常に意義のある増便だと言えるだろう。現時点で、同社の増便は6月の計16日間の期間限定とされているが、6月以降も継続的に運航されることを期待したい。(現在、神戸市は6月30日までの運航便を募集しており、7月以降も追加で運航される可能性がある。)
更なる路線拡充は待ったなし
神戸ー台北線の増便が実現した背景には、中国路線(神戸ー上海・南京・北京線)の運休で神戸空港の受け入れ体制に余裕が生じているという事情がある。今回増便となったBR176便・BR175便の神戸空港での発着時間帯は、吉祥航空が上海線の運航を予定していた時間帯であり、現在もチェックインカウンターやCIQなどの受け入れ体制を持て余した状況が続いている。南京線や北京線の発着時間帯(13~15時)についても、現状は受け入れ体制を持て余した状況が続いており、更なる新規就航・増便が待たれるところである。(ちなみに、神戸ー上海・南京線の運航を計画する吉祥航空、神戸ー北京線の就航を計画する中国東方航空ともに、2026年サマーダイヤも神戸発着路線の運休を継続するとしている。)
当サイトではこれまでも繰り返し指摘してきたが、神戸空港の国際化にあたっては、外資系航空会社を中心に約20社が就航に関心を示していたことが明らかになっている。そのような多数の就航オファーを断らざるを得ない状況の中で、再開時期の見通しが立たない中国路線のために、国際線受け入れ枠を遊休化させている現状は看過できるものではない。
また、神戸市が中国路線の運休によって生じた受け入れ枠の活用に向け、航空会社の募集を開始したのは今年に入ってからとみられる。これは、航空各社がサマーダイヤを確定する1月頃まで、吉祥航空や中国東方航空の動向を注視していたためと考えられる。しかしながら、航空便の増便には機材計画や乗員繰りといった複雑な調整が伴う上、航空券の販売にも一定の準備・集客期間が必要である。結果として、サマーダイヤの開始時点で中国路線の空白を埋められなかった点については、神戸市の対応の遅れが否めず、非常に残念であると言わざるを得ない。
今回の増便により、神戸―台北線は一時的に週14便(1日2往復)体制での運航となる見込みである。しかし、関西空港発着の台北線が1日20往復近く運航されている現状を踏まえれば、同路線にはなお十分な増便余地が残されていることは明らかである。過去の記事でも指摘してきた通り、現状では神戸側の受け入れ設備および体制が不十分であり、本来の需要に見合った便数が確保されていないのが実情なのだ。
来年度、神戸市は第2ターミナルにおける旅客ハンドリング用ランプバスの増車を計画しており、国際チャーター便のさらなる受け入れ拡大を図る方針である。しかし、今後の増便や機材大型化に対応するためには、ボーディングブリッジの整備やチェックインカウンター・入出国審査場の拡張といった、第2ターミナルの抜本的なハード面の強化が不可欠である。加えて、CIQ体制の充実や航空会社スタッフの確保など、ソフト面の拡充も避けて通れない課題である。神戸市には、これらの課題に対しより一層のスピード感をもって取り組む姿勢が求められている。


