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ニュース神戸空港国際化

神戸空港、今年度にもビジネスジェット専用施設の公募を実施!国際化を機に受け入れ態勢強化へ

現在、神戸空港でビジネスジェットの受け入れを行っているヒラタ学園神戸エアセンター

神戸市は9日、「神戸空港におけるビジネスジェットの受入推進に関するサウンディング型市場調査」の結果を公表した。同調査では、多くの前向き・肯定的な意見が寄せられ、ビジネスジェットの受け入れに関して神戸空港のポテンシャルの高さが伺える結果となっている。

このサウンディング調査は、神戸空港におけるビジネスジェットの受け入れ促進を目的とし、神戸市が民間事業者等に意見を求めていたものである。令和4年10月26日~11月7日の期間中、航空機運航事業者・航空機メーカー・商社など計13グループから以下のような意見・提案があった。

1.神戸空港で見込まれる
国内外のプライベートジ
ェット需要について
・神戸空港は、三宮や大阪・京都へのアクセスもよく、湾岸道路などの交通アクセスが発達しているため、商用・観光ともにプライベートジェットの需要が見込まれる【複数意見】
・2025年の大阪・関西万博などに向けて、国内外のプライベートジェットの需要拡大が見込まれる【複数意見】
・首都圏ではプライベートジェットが使用可能な駐機場や格納庫が不足しており、神戸空港での受入れが推進されれば、需要を取り込むことができる【複数意見】
・中国、香港、台湾、シンガポールなどのアジア、北米や欧州からの需要が見込まれる
・医療産業都市と連携した利用が見込まれる
・利用者には企業のオーナーなどの割合が多いが、イベントに合わせてスポーツ選手、アーティストなどもプライベートジェットを利用する【複数意見】
・国際的イベントに合わせた海外VIPのプライベートジェットでの来日が見込まれる
2.神戸経済や都心・ウォ
ーターフロントエリア・
空港島への波及効果につ
いて
・プライベートジェットの利用者が神戸を訪れることで、消費活動や企業の拠点進出等の事業機会創出、MICEを含む国際イベントの誘致等が期待できる
・プライベートジェットの利用者(乗客)だけでなく、乗務員も来訪することになるため、飛来数に応じて宿泊・消費等が見込まれる【複数意見】
・神戸に国際的なブランドのホテルがあれば、プライベートジェットの旅客の利用が見込まれるとともに、利用空港を選択するうえでの要件の一つとなりうる【複数意見】
・プライベートジェットの受入れが進めば、航空機整備事業等の産業集積が見込まれる
3.プライベートジェット
の受入に必要な施設、機
能やサービスについて
・プライベートジェット専用の、機体の整備・保管のための格納庫や、長期駐機に対応できる駐機場【複数意見】
・利用者のプライバシー及び出発・到着時のスムーズな手続き(CIQ(税関、出入国管理、検疫)含む)、移動を確保するためのプライベートジェット専用動線・施設【複数意見】
・海外の空港にあるように、施設の運営の他、機体の整備・保管や、運航手続等の支援や旅客サービス、グランドハンドリング(航空機の誘導や客室の整備などの地上支援業務)などの運航支援を一体的に提供できること【複数意見】
・乗務員にとっても利便性の高い施設であること(休憩・事務スペースなど)【複数意見】
4.上記に必要な用地の面
積、契約方法、事業期間
について
<立地>
・他空港のプライベートジェット専用施設は空港敷地内に設置されているが、保安上の制約が多いため、空港の敷地外かつ誘導路に隣接した場所であること【複数意見】
<用地の面積>
・プライベートジェットの専用拠点として、少なくとも2.5万㎡程度の土地が必要【複数意見】
<土地の契約>
・初期投資コストを抑えるため、分譲よりも賃貸借が望ましい【複数意見】
<事業期間>
・より長期の事業期間が望ましい【複数意見】
・施設等への投資の回収の観点から、最低でも30~40年程度必要
5.行政に求めること・CIQの柔軟な対応によるフライトプラン(飛行計画)の届出期限の短縮や、受入時間の拡大など【複数意見】
・空港の運用時間の延長(海外ユーザーのニーズ等への対応)【複数意見】
6.その他・神戸空港から国内の目的地まで、車だけでなく、ヘリコプターや次世代モビリティによる移動が可能となるような取組みが必要【複数意見】
・神戸空港はウォーターフロントエリアと近接しており、スーパーヨットやクルーズとの連携は大きな神戸の特長・魅力である
神戸空港におけるビジネスジェットの受入推進に関するサウンディング型市場調査に寄せられた意見

特に「CIQの柔軟な対応によるフライトプラン(飛行計画)の届出期限の短縮や、受入時間の拡大」「空港の運用時間の延長」などに複数意見が寄せられており、神戸空港のポテンシャルを生かし切れていない現状が改めて明らかとなった。

現在、神戸空港は関西空港の利用促進への配慮から、国際線の運航と運用時間に制限が設けられている。そのため、ビジネスジェットの運航には制約(下表参照)が多く、ビジネスジェットの受け入れは伸び悩んでいるのが現状である。

受入時間出国:7時~23時
入国:平日8時30分~17時(土日祝不可)
フライトプランの届出期限出国:出国日の3日前まで(商用のための緊急・やむを得ない事情がある場合は24時間前まで)
入国:入国日の14日前まで(商用のための緊急・やむを得ない事情がある場合は7日前まで)
神戸空港におけるビジネスジェット運航に関わる制約

先般開催された第12回関西3空港懇談会でも、神戸空港でのビジネスジェット(プライベートジェット)の受け入れに関し、「将来需要は旺盛と考えられ、一層の取組みが必要である。」とされており、神戸空港におけるビジネスジェットの受け入れ拡大は喫緊の課題となっている。

神戸空港では、2025年から国際チャーター便の運航、2030年から国際定期便の運航が予定されており、現在は臨時的に対応しているCIQ(出入国・税関・検疫など国際線の運航に必要な施設の総称)も今後は常設されることになる。CIQの常設と将来的な運用時間の拡大によってビジネスジェットの受け入れは更に進むとみられ、国際化を契機に神戸空港はビジネスジェットの受け入れ拠点としても大きな役割を担うことが期待される。

また、「施設の運営の他、機体の整備・保管、運航手続等の支援や旅客サービス、グランドハンドリングなどの運航支援の一体的な提供」に関しても大きな期待が寄せられている。そのため、今後神戸空港でビジネスジェットに特化した専用施設が整備されれば、「国内で唯一」の強みを持った受け入れ拠点となる可能性も秘めていると言えるだろう。

この調査の結果を基に、神戸市は今年度中にもビジネスジェット専用施設の整備事業者の公募を行う方針だ。

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