神戸市は9日、神戸空港サブターミナル整備基本計画(案)に関する市民意見募集手続きの結果を公表し、寄せられた意見に対する神戸市の考え方も併せて示した。この意見募集には、計55通202件の意見が寄せられており、市民からの期待・関心の高さを伺わせる結果となっている。
特に、サブターミナルのデザイン・設備に関しては、「神戸らしいデザイン」「シンボリックなデザイン」を望む声が多く寄せられ、神戸市は「神戸のアイデンティティが感じられ、神戸の空の玄関口として相応しい象徴的な施設となるよう整備する」とした。
サブターミナルと既存ターミナル(今後整備が予定されるメインターミナル)との接続に関しても多くの意見が寄せられており、「ポートライナーの延伸」「ムービングウォークの整備」など、利便性に配慮した設計にすべきという意見が多数寄せられた。しかしながら、神戸市は「当面は無料巡回バスを多頻度運行することを想定している」との考え方を示している。
また、今月14日に開催される神戸市経済港湾委員会の資料も同日公表され、サブターミナルビルの事業者公募(案)についても明らかとなった。この資料によると、サブターミナルではPBB(ターミナルビルと飛行機をつなぐ可動橋)は整備せず、搭乗方法はバスハンドリングを想定しているとの事である。
利用者にとっての利便性の観点ではPBBの整備が望まれるが、サブターミナルビルの計画地は駐機場の西端に位置するため、PBBを多数整備する事が困難である。そのため、サブターミナルビルでは搭乗ゲートを一定数確保した上で、バスハンドリングに特化した運用を目指しているものとみられる。(搭乗ゲート数に関しては、国内線4ゲート以上・国際線2ゲート以上の設計を求めている。)
2030年前後に予定されている国際定期便の受け入れにあたっては、新たにメインターミナルが整備される予定である。そのため、サブターミナルはメインターミナルが完成するまでの間に、国際チャーター便・国内線増便分(1日20往復)を受け入れるための言わば「つなぎ」の施設となる。神戸市は、将来的にサブターミナルとメインターミナルは一体的に運用する方針であるとしているが、メインターミナルが完成した後のサブターミナルビルの位置付け・運用方法についても先を見越した検討が必要である。