神戸市は15日、「神戸空港サブターミナル整備基本計画(案)」を公表した。神戸空港では、今後の国際化と国内線の増便に対応するため、新たなターミナルビルの整備が急務となっており、今回の基本整備計画案にサブターミナルの整備方針が示されている。
今回基本計画が示されたサブターミナルは、2025年に受け入れを目指す国際チャーター便と国内線の増便に対応するための施設である。2030年前後に就航を予定している国際定期便については、現在のターミナルビルの位置に新しいメインターミナルを整備した上で受け入れる計画となっており、その詳細については現在関西エアポートと神戸市で検討が進められている。
サブターミナルの整備計画案の公表に伴い、神戸市は意見募集(パブリックコメント)も実施するとしており、令和4年12月16日~令和5年1月20日の期間、郵送や電子メールなどで意見を提出することが可能である。
神戸空港サブターミナル整備基本計画(案)
(神戸市公式サイト)
神戸空港サブターミナル整備基本計画(案)について意見を募集します
(神戸市公式サイト)
サブターミナルの整備概要
サブターミナルの施設規模は、2階建て・建築面積約17,000㎡を想定。現旅客ターミナルビルの延床面積が約18,600㎡であることから、床面積としては同程度の規模のターミナルビルが整備される見込みである。
コンセプト
海に浮かび、森を感じる。
• 神戸の歴史と伝統、山・海、豊かな自然との調和
• 神戸らしさ香るおもてなし
• ユーザーフレンドリーで快適・質の高い旅の始まり
施設規模・事業費
想定事業費:約90億円
(1)計画地の概要
所在:神戸市中央区神戸空港1
(2)敷地条件
用途地域:準工業地域
容積率:200%
建蔽率:60%
高さ制限:航空法による転移表面(法第49条)
防火地域:指定なし
高度地区:指定なし
大規模集客施設制限地区
(3)建物の規模
構成:原則、2階建て
建築面積:約17,000㎡
(4)導入機能(基本概要)
〇ユニバーサルデザイン
〇自然採光など自然エネルギー・
再生可能エネルギーの利用など
〇エコマテリアルの活用など
〇直下型・海洋型大規模地震への耐震機能
〇津波・高潮への浸水対策機能
〇大規模災害時の広域防災拠点機能
(5)導入機能(建物構成)
①ロビー機能
ロビーでは、搭乗手続きのスムーズ化、送迎者の
待機場所の確保、総合案内機能、両替所など
のサービス機能を配置するとともに、山・海を望む
賑わい施設を想定
②国内線エリア機能
搭乗者のスムーズな保安検査、空の旅の始まり
を心地よく過ごせる搭乗待合室、商業施設、
手荷物受取所などを想定
③国際線エリア機能
国内線エリアの機能に加えて、スムーズな出国審
査、入国審査を行うことができる施設を想定
④その他機能
国際線に必要となる出国・入国審査のための
CIQ事務所、運行する各航空会社の事務所、
建物に必要な機械室等を想定
整備スケジュール
大まかな整備スケジュールは、2022年度中に事業者選定・契約、2023~24年度にかけて設計・建設までを完了させる予定となっており、2025年の供用開始を目指すとしている。
既存ターミナルとの連絡
サブターミナルは、現在の旅客ターミナルビルから離れた位置に整備が予定されていることから、既存ターミナルとの円滑な移動を実現するとしている。具体的には、「新たな駐車場、バスやタクシーが利用しやすい乗降施設の整備」「誰もがスムーズに移動できる施設」とされており、連絡バスの運行や動く歩道(ムービングウォーク)等の整備を念頭に置いているものとみられる。