スポンサーリンク

【管制官不在?】意外と知らない管制塔の話

羽田空港の新管制塔(写真中央)と旧管制塔(写真左)

飛行機を利用した際、空港で目にする管制塔。その管制塔にも様々な種類があることをご存じでしょうか?

管制塔の大小の違いは見て取れますが、実はそこに配属されている職員は空港毎に大きく異なり、中には管制塔があっても航空管制官が居ない空港も存在します。

ここでは空港毎に違う管制塔について簡単に解説します。

管制塔と航空管制官

先ほど触れた航空管制官(以下、管制官)とは、航空機の運航に欠かせない管制業務等を行っている国家公務員(自衛隊・米軍機が離着陸するような空港では、自衛隊・米軍の管制官も存在します。)の事です。

その管制官が業務にあたっている機関を「管制所」といい、以下の5つに分類されています。

  • 航空交通管理センター…航空交通流の円滑化などを担当
  • 管制区管制所…航空路における航空機の誘導などを担当
  • ターミナル管制所…空港を出発・到着する航空機の誘導などを担当
  • 飛行場管制所…空港内での航空機の誘導(管制承認・地上走行・離着陸許可)などを担当
  • 着陸誘導管制所…着陸する航空機の誘導を担当(民間機が離着陸する空港では、那覇など一部空港に限られる。)

中でも、多くの空港で見かける管制塔には「飛行場管制所」が置かれており、「飛行場管制業務」が実施されています。また、同じ管制塔内・付随する建物内には「ターミナル管制所」「着陸誘導管制所」なども設置されており、空港への航空機の誘導なども担っています。

ここで「多くの空港」と表現したのは、例外が存在するからです。ここから例外となる空港を見ていきましょう。

「航空機」と「飛行機」

「航空機」とは、「人が乗って航空の用に供することができる飛行機・回転翼航空機(ヘリコプター)・滑空機(グライダー)・飛行船その他政令で定める機器」と航空法に定義されています。そのため、「飛行機」は航空機の1カテゴリーであり、「航空機」は飛行機やヘリコプターなどの総称という事になります。
また、近年市場が拡大しているドローンは、「無人航空機」として航空法に定義されています。

管制官不在?空港にも3種類ある

以下、2枚の写真には神戸空港と静岡空港の管制塔が写っています。

外観や高さが若干異なってはいますが、管制塔内で勤務している職員の内訳は大きく異なるのです。

神戸空港の管制塔
静岡空港の管制塔

セスナなどの小型機が発着する小さな飛行場等を除き、旅客機が運航されている空港は主に以下の3つに分類できます。

  • 飛行場管制業務が実施されている空港…比較的規模の大きい空港では航空管制官が配置され、飛行場管制業務が実施されている。羽田・成田などの主要空港をはじめ、神戸など比較的交通量の多い地方空港などもこちらに分類される。
  • 飛行場対空援助業務が実施されている空港…比較的規模が小さい地方空港では、航空管制官ではなく航空管制運航情報官(以下、情報官)が配置され、空港周辺の交通情報の提供などを行っている。福島・松本・静岡など、比較的交通量が少ない地方空港はこちらに分類される。
  • 飛行場リモート対空援助業務が実施されている空港…更に規模が小さい空港では、空港内に管制官も情報官も配置されず、各地の拠点空港に存在する情報官が遠隔で交通情報の提供などを行っている。但馬・鳥取・石見など、更に交通量が少ない地方空港はこちらに分類される。

実は、管制官が配置されているのは1番目の「飛行場管制業務が実施されている空港」だけで、その他の空港には管制塔の建物があったとしても管制官は不在となっています。

管制官が管制業務を行っていない空港では、代わりに情報官が活躍しています。情報官は管制官のように管制指示(地上走行・離着陸の許可など)は発出できませんが、空港周辺の交通情報等を提供しており、その情報を元に飛行機の発着が行われています。

飛行機は管制官が居なくとも、空港からの電波やGPS信号を頼りに空港へ進入することは可能です。しかし、進入する飛行機の間隔・離着陸の順番を細かくコントロールしなければ多くの飛行機を捌くことが出来ないため、交通量の多い空港では管制官による「飛行場管制業務」が実施されているのです。

管制塔内での3つの業務

管制官が配置されている管制塔では、飛行場管制業務が実施されていることは既に解説しましたが、更に細分化すると複数の管制官が主に3つの業務を分担して担当しています。以下はそれぞれのコールサインと業務の内容です。

※コールサイン(呼出符号):無線で相手を呼び出す際に使用する呼称

  • デリバリー…管制承認の中継などを担当する。
  • グランド…滑走路以外の地上走行に関する指示を発出する。規模が大きい空港になると、走行区域が複数に分割され、複数の管制官が異なった周波数で担当している。
  • タワー…離着陸許可・滑走路の横断許可や管制圏内の飛行に関する指示を発出する。規模が大きい空港になると、複数の管制官が滑走路ごとに異なった周波数で担当している。
走行区域と滑走路で担当する管制官が異なる。写真は羽田空港D滑走路。

パイロットはそれぞれ「管制承認」「地上走行の許可」「離着陸の許可」を管制官から得る必要がありますが、上記のコールサインで各々を担当している管制官から指示を受けるのです。

また、飛行場管制業務が実施されている空港の中でも、「デリバリー」のコールサインは使用されず「グランド」が「デリバリー」の業務を兼ねている空港(仙台・長崎・宮﨑など)や、「デリバリー」も「グランド」も共に使用されず「タワー」が全ての業務を担っている空港(神戸・広島・松山など)もあります。

さらに、成田空港には「ランプコントロール」という駐機場内を走行する飛行機のみを誘導する業務もありますが、これは管制官ではなく成田国際空港会社の職員が担当しています。日本においてランプコントロールが存在する空港は成田空港だけですが、多くの海外の主要空港ではランプコントロール(エプロンコントロール)が存在しています。

タイトルとURLをコピーしました