
神戸空港の国際線は、10月25日から始まる2026年冬期ダイヤで運航便数が大幅に増加する。冬期ダイヤ開始時点では週61往復となり、期間中には韓国・清州線や台湾・高雄線の新規就航などにより、2025年4月の国際化当初の運航便数(週40便)のほぼ倍となる週77往復まで拡大する見込みだ。
国際線の運航規模が一段と拡大するなか、ボーディングブリッジやチェックインカウンター、出入国審査場などの拡充に加え、飲食・物販店舗の充実や駅とターミナルを結ぶ連絡デッキの早期整備が求められている。
冬ダイヤで国際線が最大週77往復に拡大
| 路線 | 10/25~12/17 | 12/18~12/23 | 12/24~12/31 | 27/1/1~3/27 |
|---|---|---|---|---|
| ソウル (仁川) | 週35便 | 週42便 | 週42便 | 週42便 |
| 台北 (桃園) | 週19便 | 週19便 | 週19便 | 週17便 |
| 台中 | 週7便 | 週7便 | 週7便 | 週7便 |
| 清州 | — | — | 週4便 | 週4便 |
| 高雄 | — | — | — | 週7便 |
冬期ダイヤの運航期間は2026年10月25日から2027年3月27日まで。開始時点では、韓国のソウル(仁川)線と台湾の台北(桃園)線、台中線が運航する。ソウル線は大韓航空、アシアナ航空、ジンエアー、チェジュ航空が運航し、1日5往復を設定する。台北線はエバー航空とスターラックス航空、台中線はスターラックス航空が運航する。
12月18日にはトリニティ航空がソウル線に新規就航し、同路線は1日6往復に拡大する。さらに12月24日には韓国・清州線が週4往復で開設され、2027年1月1日には台湾・高雄線が毎日1往復で運航を開始する。これらの増便・新規就航により、国際線は最大週77往復となり、冬期ダイヤ開始時点の週61往復から約26%増加する見通しだ。

就航を待つ航空会社も 施設拡張の前倒しが課題
国際線の拡大は、航空機の運航枠を確保するだけでは完結しない。便数が増えれば、チェックインカウンターや保安検査、出国審査、到着時の入国審査、手荷物受け取りなど、ターミナル内で処理すべき旅客も増える。複数便の出発・到着が重なる時間帯には、カウンターや審査場、搭乗待合室などの処理能力が旅客の利便性を左右する。ボーディングブリッジの整備も含め、旅客と航空機の双方を円滑に受け入れるための施設拡充が課題となる。
神戸空港では、2030年の国際定期便受け入れに向けて施設拡張に係る設計が進められている。整備の概要が固まり次第、工事を急ピッチで進め、必要な施設を順次拡充していくことが重要だ。2030年の定期便就航に間に合わせるだけでなく、それよりも前の段階から、さらなる運航便数の増加に対応できる受け入れ体制を整える必要がある。
神戸空港の国際化に際しては、航空会社約20社近くの就航オファーを断った経緯があり、現在も就航の機会を待っている航空会社が存在する。運航便数の増加余地がある一方、ターミナルなどの受け入れ能力が制約となれば、就航意欲のある航空会社の需要を取り込めない可能性がある。施設整備は既存便の混雑緩和にとどまらず、新たな路線の誘致や国際線ネットワークの拡大にも関わる問題である。
店舗や駅アクセスの改善も急務 利用者離れを防げるか

空港の受け入れ能力を考えるうえでは、航空機や出入国手続きに関わる設備だけでなく、利用者が空港で過ごす時間や、空港までの移動のしやすさにも目を向ける必要がある。神戸空港T2では、ターミナル内のレストランや物販店舗などの不足、空港駅とターミナルの接続の不便さについて、利用者から不満の声が上がっている。国際線の便数が増え、空港を利用する機会が広がっても、飲食や買い物の選択肢が限られ、駅からの移動にも不便を感じる状況が続けば、利用者の満足度を高めることは難しい。
とりわけ、初めて神戸空港を利用した人が、施設やアクセスの不便さを理由に再利用をためらうようになれば、路線網の拡大によって生まれるはずの需要を十分に取り込めないおそれがある。利用者の不満を放置することは、空港の利便性や評価を損ない、将来的な利用者離れにつながりかねない。国際線の拡大を一時的な利用増加に終わらせず、継続的な利用につなげるためにも、店舗の充実やターミナル内のサービス改善を進める必要がある。
あわせて早期整備が求められるのが、ポートライナーの駅と旅客ターミナルを結ぶ連絡デッキだ。駅とターミナルの接続を改善し、雨天時も含めて移動しやすい環境を整えることは、空港アクセスの利便性向上だけでなく、旅客の円滑な移動を支えるうえでも意義が大きい。国際線の利用者増加を見据え、連絡デッキの計画を具体化し、早期の実現を目指すべきだ。
運航便数の拡大に施設整備が追いつかなければ、チェックインや出入国手続きの混雑だけでなく、飲食・買い物の不便さや駅との移動のしにくさも、利用者の不満として残り続ける。就航を希望する航空会社が存在するなか、施設の制約によって新たな路線の受け入れが難しくなる事態も避けなければならない。
2030年の国際定期便受け入れに向けた設計を着実に進め、整備概要が固まり次第、ボーディングブリッジやチェックインカウンター、出入国審査場などの拡充を急ピッチで進めるべきだろう。さらに、飲食・物販店舗の充実や、駅とターミナルを結ぶ連絡デッキの早期整備も並行して進め、2030年を待たずに、さらなる運航便数と新たな就航需要を受け入れられる体制を構築する必要がある。
国際線の増加を空港の持続的な発展につなげるには、航空会社の需要に応えるだけでなく、利用者が「また使いたい」と思える環境を整えることが欠かせない。神戸空港のハード整備・拡充は、2030年まで悠長に構えている場合ではなく、今すぐ取り組むべき課題となっているのだ。
