エアバスの大型輸送機ベルーガST(3号機 F-GSTC)が再び神戸へ飛来する可能性が高まっている。同型機は、仏・マルセイユからヘリコプターを輸送するため、2021年から継続的に神戸空港へ飛来しており、今回実際に飛来すれば3回目(5月に続いて今年2回目)の神戸訪問となる。
エアバスが自社の航空機部品等を輸送する目的で製造した大型輸送機(全長:56.16m、全幅:44.84m、高さ:17.25m)の愛称である。エアバスA300型機をベースに製造されており、A300-600STという型式名を有する。後継機として、エアバスA330型機をベースとしたベルーガXLが製造されている。
今回飛来する可能性が高まっているのはベルーガSTの3号機(F-GSTC)で、7月20日にトゥールーズからエアバスヘリコプターズの工場があるマルセイユに向けて移動。その後、ドバイやチェンナイ等を経由し、25日時点でベトナム・ダナンに到着している。実際に神戸へ向かっているとすれば、台湾等を経由して27日・28日頃には神戸空港へ到着する可能性が高い。
ちなみに、ベルーガST 3号機(F-GSTC)は、2021年12月にもエアバスヘリコプターズ神戸事業所にヘリコプター(海上保安庁発注)を輸送。同型機の日本への飛来が実に22年ぶりであったことから、大きな注目を集めた。今回、実際に神戸へ飛来すれば、3号機としては約1年半ぶりの再訪となる。
今年5月には、ベルーガST 2号機(F-GSTB)が海上保安庁向けのヘリコプターを納入するため神戸空港に飛来。この際は、エアバス社ならびに関西エアポート社がベルーガの飛来を公式にアナウンスしたこともあり、大手メディア等がこぞって取り上げた。今回はエアバス社ならびに関西エアポート社から現時点で公式アナウンスはされていない。
海上保安庁の最新の予算要求資料では、今年度中にPLH(ヘリコプター搭載大型巡視船)向けの中型ヘリコプターH225(通称:スーパーピューマ)計4機、航空基地向けの中型ヘリコプター1機を導入する計画となっている。そのため、今年度に納入を予定している残りの機体を輸送している可能性は十分考えられるだろう。