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神戸空港サブターミナル、構内道路等の整備計画が判明!未だ不透明な駐車場の整備位置

サブターミナルの施設配置(出典:神戸市資料、一部加工)

神戸市は10日、神戸空港基本施設他整備工事に関する入札を公告した。今回の入札公告では、サブターミナルに付帯して整備する構内道路の計画図面が公開されており、先日のサブターミナルビル整備基本計画の改定案に続き、サブターミナルの全体像が徐々に明らかとなってきている。

構内道路・エプロンの計画図面

構内道路

GSE車両通行帯計画平面図(出典:神戸市資料)

構内道路は、サブターミナルの利用者が利用するランプバスのほか、搭載貨物・手荷物等の運搬車両や税関・検疫の職員等が使用する車両の通行に利用される道路で、サブターミナル西側・南側に制限区域を設けて整備される。

ランプバスの発着場所は、国内線・国際線の出発はターミナルビル南面、国際線の到着はターミナルビル南西角、国内線の到着はターミナルビル北西角となる見込みである。構内道路の西側には、ランプバスの駐車場が用意されており、図面上の駐車枠数から読み解くと計10台前後のバスでハンドリングが予定されている模様である。

エプロン(西側拡張部)

現在、西側への拡張工事が進められているエプロンは、当面は西端が15番スポットとなり、主にサブターミナルを発着する航空機が使用する。15番14番スポットは中型機用、13番スポットは大型機用、12番11番スポットは小型機用として整備される見込みである。また、15番14番スポットには旋回線が描かれていることから、機材によっては自走出発を想定しているとみられる。

※自走出発:航空機が地上車両によるプッシュバックを必要とせず、エンジン始動後に自走で180度転回して出発する方式のこと。

2030年頃の国際定期便の就航に向け、エプロンは東側にも拡張される計画となっているため、東側のエプロン拡張が完成し次第、西端のスポットは15番から21番に変更される見込みである。

駐車場の整備位置はどこになる?

これまでに示されている案では、駐車場はサブターミナルの東側または西側に整備する想定となっている(出典:神戸市資料)

今回示された図面、ならびに先日公表されたサブターミナルビル整備基本計画の改定案により、徐々にサブターミナルの全容が明らかとなっているが、依然として不透明なのはサブターミナル利用者が利用する駐車場の整備位置である。

以前の記事で、サブターミナル利用者向けの駐車場の整備位置は、①サブターミナル西側 ②サブターミナル北側の2か所もしくは③既存駐車場の立駐化等のいずれかが想定されるとお伝えしていた。加えて、もう一つの腹案として④サブターミナル東側に計画されていた緑地空間を駐車場に転用するという可能性もあったが、先日示された改定案で緑地空間が削減されることが判明したため、④サブターミナル東側へ整備される可能性は消滅している。残された選択肢は①~③の3つだが、全てにハードルが存在する。

まず、利便性の面で最も懸念があるのは①サブターミナル西側である。サブターミナルの西側には構内道路を整備する区域が大きく取られていることが判明したため、①サブターミナル西側に駐車場を整備すると、駐車場の端からターミナルビル出入口までは数百メートルもの距離となる。そうなると、駐車場の利用者はほぼサブターミナル利用者に限定されるのは勿論、サブターミナル利用者がより近い駐車場を求めて第1・第2駐車場に流れる可能性すら考えられるのだ。

次の②サブターミナル北側は、ターミナルビルの出入口に比較的近い位置ではあるが、利用者はターミナルビルへの移動の際に空港島の幹線道路を横断する必要がある。また、当該用地は本来は民間向けの分譲用地であり、永久的に駐車場として使用出来る訳ではない。

最後の選択肢である③既存駐車場の立駐化は、サブターミナルの利用者にとっても既存ターミナルの利用者にとっても最良の選択肢である。しかし、これらの選択肢の中では最も整備費用が嵩むため、神戸市や関西エアポート神戸は慎重な姿勢を示しているのだ。

既存の第1駐車場・第2駐車場は、近年の航空需要増加を受けて繁忙期・連休時期等には満車となることも多く、ターミナルビルから徒歩10分弱ほど離れた臨時駐車場の利用を余儀なくされることも珍しくない。また、全てが青空駐車場のため、雨天荒天時の利便性を損なっているほか、第1駐車場の端からターミナルビルまでは非常に遠く、利用者から不満の声も多いのが現状である。

国内線発着枠の拡大と国際化により、神戸空港の発着便数は今後大幅に増加することになる。バスやポートライナーの輸送力強化に加え、自家用車アクセスに不可欠な駐車場についても計画的な整備が必要である。

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