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神戸空港サブターミナル、将来イメージが判明!将来的にPBBを整備しエプロンは更に拡大へ

ターミナルビル周辺の将来イメージ(出典:神戸市資料)

神戸市は13日、神戸空港サブターミナル整備計画(改定案)に関する意見募集の結果を公表。同募集には、空港駅とを結ぶ歩行者デッキ整備を求める声や空港内の設備整備に関する声が寄せられた。また、意見募集結果と併せて、将来的なイメージも初めて公開され、PBB(旅客搭乗橋)の整備やエプロンの拡張等を予定していることが判明した。

改定案の意見募集結果

サブターミナルの完成予想図(出典:神戸市資料)

サブターミナル計画の改定案には計21通84件の意見が寄せられた。空港駅とサブターミナルを結ぶ歩行者デッキの整備を求める声やターミナルビル内のテナント・ラウンジ整備に関する意見等が寄せられている。神戸市が公開した主な意見は以下の通り。

神戸空港サブターミナル整備基本計画(改定案)について(30件)

意見の概要意見に対する市の考え方
1当初計画案と比較してポートライナー神戸空港駅や現ターミナルとの距離が近くなり、将来的にはデッキにより接続することで、「神戸空港らしい使いやすさ」を引き続き実現できるものと思う。2025年春の供用開始に向け、利便性・快適性を備えた神戸の空の玄関口にふさわしい施設になるよう、着実に整備を進めてまいります。
2歩行者デッキによる接続を踏まえ、サブターミナルでのエスカレーターの東西の向きなど、2階から入る動線にも対応してはどうか。神戸空港の航空需要の拡大を図り、神戸のまちの成長・発展につながる取り組みとして、まずは2025年の国際チャーター便の運用開始・国内線発着枠拡大に対応するためにサブターミナルの整備を着実に進めてまいります。
3サブターミナル開業までにムービングウォークのある歩行者デッキを整備するべきである。ポートライナー神戸空港駅からのアクセスについては、ユニバーサルデザインの観点から、当面の間はバスの運用も予定していますが、将来の歩行者デッキによる接続等も含め、利用者の利便性向上に十分配慮してまいります。
4将来的に歩行者デッキが整備される予定とのことだが、せめてサブターミナル開業時から徒歩でターミナル間を移動出来るよう歩道に屋根を整備するべきである。
5ポートライナー神戸空港駅から1階に降りるエスカレーター・エレベーターを整備していただきたい。
6基本施設の事業費が当初の143億円から100億円に減額されているが、必要なハード整備が減らされていないか。サブターミナル本体の事業費が増大したことは仕方ないとして、他の必要なハード整備はしっかり進めるべき。本計画の改定にあわせて、全体事業費についても、必要な機能を確保しつつ、施工方法の見直しなど精査を行いました。
7既存ターミナルを建て替えた後のサブターミナルの使途を明らかにすること。神戸空港の航空需要の拡大を図り、神戸のまちの成長・発展につながる取り組みとして、まずは2025年の国際チャーター便の運用開始・国内線発着枠拡大に対応するためにサブターミナルの整備を着実に進めてまいります。
8サブターミナルに国内線が就航しない可能性も考慮し、国内線エリアを国際線エリアに転用できるような設計とすること。
9利便性のためには既存ターミナルの大規模な増築が望ましい。現実的に新築しかできないのであれば、国際線ターミナルとして整備すれば利用者にとって分かりやすく、また動線の不便さが許容されることが期待できるのではないか。

神戸空港サブターミナル整備全般について(30件)

意見の概要意見に対する市の考え方
1外観に関して、「森を感じる」というコンセプトには神戸の個性を活かすもので大賛成である。森林、山に関する取り組みと連携して、面白く具体化していただけたら嬉しい。いただいたご意見も参考に、神戸のアイデンティティが感じられ、神戸の空の玄関口にふさわしい施設となるよう整備してまいります。
2事業者決定の際に示された外観デザインの陳腐さに驚かされたが、見直しは済んでいるか。国際空港として恥ずかしくないデザインのターミナルビルにしていただきたい。
3中途半端な緑化のせいでさえない「地方空港」感が漂っている。国際空港になるのだから、開放感のある、高い天井・明るいロビーを設計していただきたい。
4飛行機の見えない無駄な展望デッキは削減し、その費用は設備の充実に充てること。
5ロビー・くつろぎスペースには、乳児・幼児が安全にハイハイできる場所を設置していただきたい。キッズスペースの設置など、空港を利用される皆様の利便性・快適性が向上する機能を備えた施設となるよう整備してまいります。
6サブターミナルにはしっかりとレストランやカフェを整備するとともに、外国人でも知っているような世界的なチェーン店を誘致するべき。飲食店や店舗、ラウンジの設置など、いただいたご意見も参考に、空港を利用される皆様の利便性を確保するとともに、快適に過ごしていただける施設となるよう整備してまいります。
7一般的なカードラウンジではなく、プライオリティパスや航空会社の上級会員制度の使える一歩進んだラウンジを整備してほしい。
8ボーディングブリッジも整備したほうが効率よく楽に搭乗できると思う。航空機への搭乗はバスによる運用を予定しています。将来的なあり方については、いただいたご意見も参考に、既存ターミナルの運営権者である関西エアポート神戸株式会社などとも協議しながら、航空需要に応じて検討を進めてまいります。
9神戸空港は民営化をしているのだから、本来は運営権者である関西エアポート神戸株式会社がターミナル建設費を拠出しなければならない。整備費の費用分担について明らかになっていないが、協議はどうなっているのか。限られた期間の中でスピード感を持って整備を進めるため、本市が事業主体となり、整備を進めています。
借入金により整備を行い、その償還については、空港施設利用料やターミナル入居事業者等からの賃料などにより行ってまいります。

その他の意見(24件)

意見項目意見に対する市の考え方
・滑走路の延伸、増設今後、これらの計画や整備を検討する際に、いただいたご意見を参考にさせていただきます。
・空港の運用時間の延長、24時間化
・立体駐車場の整備
・姉妹都市との国際チャーター便の就航
・神戸空港へのアクセス(ポートライナーの輸送力強化、シャトルバスの多頻度運行、地下鉄新路線整備など)
・神戸空港島内の動線配慮
・神戸市以西の豊富な魅力の発信機能
・医療産業都市との連携、国際社会へ貢献する都市であることの発信

駐車場はターミナルビル東側に新設!?

駐車場は既存ターミナル東側に新設される予定(出典:神戸市資料)

サブターミナルの整備にあわせて、利用者向けの駐車場が新たに整備される事になっているが、これまでその整備位置は明らかにされてこなかった。しかし、今回示されたイメージ図ではその整備位置が示されている。何とその整備位置は既存ターミナルビルの東側である。

サブターミナル西側にはランプバスが使用する構内道路が整備される予定であり、また同東側には既存の第2駐車場が隣接していることから、サブターミナルに近接して駐車場を新設することは困難であった。そのため、比較的既存の駐車場に近く、空き地である既存ターミナルの東側に白羽の矢が立ったとみられる。

また、既存のターミナルビル東側は、サブターミナルからは離れているものの、バス乗り場には近接しているため、利用者がサブターミナルまでバスで移動する際には便利であるということも加味されたと考えられる。

既存ターミナルビル東側の土地は、ターミナルビルの拡張用地として確保されている用地であり、制限区域のエプロンにも近接していることから、本来は駐車場の整備に相応しい場所ではない。今回整備される駐車場が恒久的に整備されるものなのか、仮設として整備されるものなのかは現時点では不明であるが、将来的には既存の第1・第2駐車場を立駐化するなど、抜本的な駐車場の改修が必要である。

将来的にエプロン拡張とPBB新設も予定!?

今回示されたイメージ図では、将来的にエプロンやターミナルビルの拡張が想定されていることも判明している。

現在、既存の西側に拡張する形で既存エプロンの拡張工事が行われているが、将来的にはサブターミナル西側までエプロンを拡張。エプロンをL字型とした上で、サブターミナルとエプロンが接する西面にターミナルビルを増築。PBB(旅客搭乗橋)も新たに整備するとしているのだ。

サブターミナルは既存ターミナルから離れた位置に整備されるため、国際定期便向けのメインターミナルが開業した後、孤立したサブターミナルが無駄になる可能性があった。そのため、当サイトでも将来的にサブターミナルとメインターミナルの一体的な運用を可能とする設計が必要であると再三指摘してきた。

今回示されたイメージ図には、将来的に両ターミナルを拡張・接続するようなイメージが示されており、一体的な運用を想定しているとみられる。そのため、将来的にサブターミナルへの投資が無駄になる可能性は払拭されたと言えるだろう。

だが、一方でメインターミナルの整備や東側へのエプロン拡張については触れられていない。メインターミナルの新設ではなく、既存ターミナルを拡張するという方針に切り替えたのか、またエプロンについても東側には拡張せずに西側部分の形状を変更するという方針に転換したのか不明な点も多い。今後、詳細な計画公表が待たれる。

エプロンは西側と東側にそれぞれ拡張するとされている(出典:神戸市資料)
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