神戸空港3階にフードコートが誕生!貧相なレストランフロアは生まれ変われるか?

フードコートの完成イメージ(出典:関西エアポート)

関西エアポート神戸は25日、2025年春に神戸空港3階でフードコートを開業すると発表した。同空港でのフードコートの整備については、神戸市会や関西エアポートの決算会見でも触れられていたが、同社から正式に発表されたのはこれが初めて。

今回フードコートが整備されるのは神戸空港3階のレストランフロアのうち、滑走路・駐機場に面した南側のエリア(約420㎡)である。このエリアは、コロナ禍前まではたこ焼屋など複数の飲食店が営業していたが、採算悪化とみられる撤退が相次ぎ、フリースペースとして暫定利用されてきた。現在は仮囲いが設置されており、フードコート計3店舗のオープンを目指して工事が進められている。

「工事中」のエリアが今回フードコートがオープンする区画(出典:神戸空港公式サイト)

現在、神戸空港内の飲食テナントは、喫茶店を除くとロイヤルホスト(上図⑪)・たもん庵(上図⑫)のみと非常に貧相な様相を呈している。旅客数は全国でも指折りの実績を誇る一方、そのターミナルビル内の様相は全国最低レベルと言っても過言ではない。以前の記事でも指摘しているが、旅客数が過去最多を更新している一方、テナント数は減り続けるという異例の状況なのだ。

これは、関西エアポートの経営手腕に起因するところが大きいと考えられるが、ターミナルビルの設計(回遊性・広さ等)にも問題があると言わざるを得ない。

例えば、神戸空港4階にはミニチュアミュージアムが開設されているが、ここは元々展望レストランとして整備された施設である。眺望は抜群であり、レストランはもちろんカフェ等を誘致できるポテンシャルは十分にあるのだが、長年テナント誘致に苦戦。そして、苦肉の策としてミニチュアミュージアムを誘致して現在に至る訳であるが、施設の利用方法としては非常に勿体ない状況が続いている。

この展望レストランの建物は、実は開港直前に増築された言わば「ツギハギ」の施設であり、ターミナルビル内から直接繋がるエレベーター等が存在しない。この動線の悪さが、展望レストランの利用の伸び悩みとその後のテナント誘致の苦戦に繋がったものと推察される。また、ターミナルビルの床面積も同程度の旅客数を捌く他空港に比べて小さく余裕が無いため、商業・飲食テナントの誘致・充実にも限りがあるのが現状である。これらの諸課題を勘案すると、国際定期便の受け入れに向けたメインターミナルの整備にあたっては、既存ターミナルの全面建て替えも避けられない状況だと言えるだろう。

神戸空港展望デッキに設けられているミニチュアミュージアム室内。南側は駐機場・滑走路が、北側は神戸市街が一望できる。

来年4月には、国際チャーター便を受け入れる第2ターミナルがオープンすることになるが、既存ターミナルから分散・孤立させて整備したがゆえ、第2ターミナル内のテナントについても集客性・採算性のハードルが高くなっている。そのため、第2ターミナルも既存ターミナルと同様の状況となる可能性も否定出来ない。(実際に、同ターミナルビルの設計図面からは飲食・商業施設が十分に計画されていない事が判明している。)

来年以降、神戸空港は神戸・関西だけでなく日本の一玄関口として機能することになり、空港のターミナルビルの第一印象はますます重要になる。神戸市・関西エアポートには、今後のターミナルビルの賑わい作りに一層の努力を求めたい。

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