
新潟空港を拠点とするトキエアは14日、神戸ー新潟線を3月30日に開設すると正式に発表した。最安の運賃は8,300円で、本日15時より航空券の予約・販売を開始する。
同路線は、ANAが2006年2月から2008年6月、FDAが2022年4月から2023年3月まで運航していたが、その後は運休が続いている。トキエアによる神戸ー新潟線は「3度目の正直」として定着するかが注目される。
同社4路線目の神戸線
今回発表された神戸ー新潟線の運航概要は以下の通り。
路線 | 神戸ー新潟線 |
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便数(往復) | 週4往復 (金・土・日・月曜日) |
運航ダイヤ | BV503 新潟13:20発→神戸15:05着 BV504 神戸15:35発→新潟17:15着 |
機材 | ATR72-600 |
運航開始日 | 2025年3月30日 |
運賃 | 8,300円(トキトク)~35,000円(トキビズ) |
現在、トキエアは新潟ー丘珠線・新潟ー仙台線・新潟ー中部線を運航(仙台線は冬ダイヤにて運休予定)しており、神戸ー新潟線は同社にとって4路線目の新規路線となる。神戸線の就航後は、成田空港と佐渡島空港を結ぶ路線の開設も予定されており、現在就航に向けた準備が進められている。
着実に路線網を広げつつあるトキエアであるが、知名度不足の影響等から各路線とも搭乗率は苦戦が続いており、就航1年目の各路線の平均搭乗率は3〜5割台と報じられている。

FDA撤退・ピーチ撤退の「鬼門」路線
関西エリアと新潟を結ぶ便は、ANA・IBEX・JALが伊丹空港から計9便(それぞれ1日4便・1日2便・1日3便)運航しており、地方路線としては比較的便数の多い路線である。そのため、関西エリアと新潟を往来する需要は比較的多いと言えるのだが、新潟線は「鬼門」でもある。
まず、神戸空港から新潟を結ぶ便は、2006年の神戸空港開港当初からANAによって運航されてきたが、搭乗率の伸び悩みにより2008年6月を以て運休となっている。その後、神戸空港へ新規参入したFDAが2022年4月に神戸ー新潟線を開設したものの、同じく搭乗率の伸び悩みによって2023年3月を以て運休となった。(FDAの神戸ー新潟線は、神戸空港の出発時刻が夕方という使い勝手の悪いダイヤも影響し、利用が伸び悩んだ。)
また、関西空港を拠点とするピーチアビエーションも関西ー新潟線を運航していたが、2024年のサマーダイヤを機に同路線から撤退。両空港ともに新潟線は定着に課題のある路線と言えるのだ。
神戸空港では、青森線や花巻線も長らく利用低迷が続いてきたが、ここ最近の搭乗率は6〜7割台に達しており徐々に路線が定着しつつある。トキエアの神戸ー新潟線も同様に定着まである程度の時間が掛かる可能性はあるが、路線自体にポテンシャルが無いわけではない。
トキエアは初就航から1年しか経っておらず知名度不足が否めない上、大手航空会社とのコードシェアも実施していないことから航空券の販売体制も弱い状況が続いている。路線の利用促進・定着には、新潟・神戸双方の地元からのバックアップが不可欠である。