神戸市は25日、国際線が発着する神戸空港第2ターミナルビルにおいて、ラウンジと飲食店・物販店を追加整備すると発表した。10月中に事業者からの応募を受け付け、今年12月以降の各施設開業を目指す。神戸空港の第2ターミナルは現在飲食・商業施設が殆ど整備されておらず、当サイトでも予てよりそのお粗末さを指摘してきたほか、利用者や航空会社からも改善を求める声が多数上がっていた。
店舗の公募・誘致に時間を要していた理由は不明であるが、神戸空港の国際化を巡る神戸市の取り組み姿勢は場当たり的でありスピード感が欠如している。今後の国際定期便の就航に向けた今後の施設整備にあたっては、利用者や航空会社の声に真摯に耳を傾けなければならない。
事業者公募要項
| 募集要項の配布 | 2025年9月25日（木）～10月10日（金）18時 |
|---|---|
| 応募申込書類等の受付 | 2025年10月14日（火）～10月24日（金）18時 |
| 提案内容審査・選定員会 | 2025年10月下旬～11月上旬 |
| 事業者決定 | 2025年11月中旬 |
| 契約手続き・引き渡し | 2025年12月以降 |
| 工事着工 | 賃貸借契約締結後 |
| 募集区分 | 物販店、飲食店、空港ラウンジ |
| 選定予定数 | 物販店 2事業者／ 2区画 飲食店 1事業者／ 1区画 空港ラウンジ： 1事業者／ 1区画 ※1区画に対して1事業者の選定を基本とするが、応募申込数、応募者の提案内容、審査の結果によっては、選定予定数と異なる場合がある。 |
| 区画面積・用途 | 区画A：66.00㎡ 物販店・飲食店 区画B：73.16㎡ 物販店・飲食店 区画C：73.47㎡ 物販店・飲食店 区画D：150.00㎡ 空港ラウンジ |
店舗区画（区画A/B/C）
現在、国際線の制限エリアには免税店が1店舗しか存在しないという極めて貧相な状況となっており、また飲食店に関しては第2ターミナル内に存在しないという極めて異例な状況である。そのため、利用者からの不満が多く聞かれる状況となっていた。
今回新たに飲食店・物販店を誘致する区画は、前述の位置図で示したA/B/Cの区画である。このうちB/Cの区画は、飲食店舗区画として当初から計画されていたものの、事業者の公募すら実施することなくターミナルビルの開業に至っている。A区画については、当初は店舗区画として想定されていなかったが、今回新たに店舗を設置する方針が示された。
既存の免税店では、お弁当などの飲食物が販売されてはいるものの、ターミナル内に飲食店が皆無であるというのは空港として失格である。今回公募されている飲食店は1店舗のみであるが、利用者の満足度向上のため飲食店は非制限区域への誘致も含めて更なる拡充を期待したい。
| 誘致区画 | 面積 | 用途 |
|---|---|---|
| 区画A | 66.00㎡ | 物販店、飲食店 |
| 区画B | 73.16㎡ | 物販店、飲食店 |
| 区画C | 73.47㎡ | 物販店、飲食店 |
ラウンジ区画（区画D）
当初、第2ターミナルにはラウンジの整備が計画されていたが、何とその区画は2階の非制限区域であった。しかも、このラウンジは国内線利用者に向けたもので、国際線については制限区域・非制限区域共にラウンジの設置すら想定されていなかったのだ。（ちなみに、第2ターミナルで国内線を運航する航空会社は現状存在しない事から、当初ラウンジの設置が想定されていた2階のエリアは閉鎖されている。）
そのため、今回ラウンジの整備を行うにあたっては、現在使用されていない国内線エリアの商業区画をラウンジの設置に転用する方針が示されている。第2ターミナルにおいて国内線の運航を希望する航空会社は現在までに現れておらず、今回の国内線商業エリアのラウンジ転用を機に、今後国内線エリアは国際線エリアへと完全に転用されることも考えられる。
現在、神戸空港はフルサービスキャリアの航空会社を優先的に受け入れているが、フルサービスキャリアの上級会員である利用者にとって空港ラウンジの有無は非常に大きい評価ポイントであり、現状の空港ラウンジが存在しない現状はあまりにもお粗末である。利用者は勿論、各航空会社からも早期のラウンジ整備を求める声が上がっていた。
ちなみに、第2ターミナル開業後に大韓航空の子会社が神戸空港でのラウンジ運営に係る人員の募集を掛けている。そのため、今回整備されるラウンジについては、一般的なカードラウンジではなく神戸空港初となる航空会社ラウンジとなる可能性もある。フルサービスキャリアの利用者を受け入れるに相応しいラウンジが整備される事を期待したい。
| 誘致区画 | 面積 | 用途 |
|---|---|---|
| 区画D | 150.00㎡ | 空港ラウンジ |
