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本日より神戸空港ー大阪駅間にリムジンバスが開通!鉄道アクセスの独壇場に風穴は開くか!?

(出典:大阪バス株式会社)

本日15日より、神戸空港と大阪駅を結ぶリムジンバスの運行が開始された。当面の運行本数は1日4往復と多くはないが、乗り換え不要の大阪方面へのアクセスが確保されることから、期待の声が高まっている。

神戸空港では2025年から段階的な国際化が控えており、今回の大阪駅とを結ぶリムジンバスの開設は、広域アクセスの改善に向けた試金石となる。

鉄道一強が続く神戸空港へのアクセス

2006年の神戸空港開港当初、大阪方面にはOCAT(JR難波駅)との間にリムジンバスが運行されていた。しかし、利用低迷によって早々に運休となっており、大阪方面へのリムジンバスは長らく存在しない状況が続いてきた。また、西宮や姫路方面へのリムジンバスも短命に終わっており、神戸空港では現在ポートライナーと自家用車によるアクセスが多くを占める状況となっている。

この背景には、ポートライナーの利便性にバスが太刀打ちできないという現状がある。以下、ポートライナー神戸空港駅とJR関西空港駅における平日の時刻表を見比べて頂きたい。

ポートライナー神戸空港駅の時刻表
JR関西空港駅の時刻表

神戸空港は関西空港と比べ、はるかに規模・利用者は少ないものの、実は鉄道の運行本数では神戸空港駅がJR関西空港駅を大きく上回り、主要空港を凌ぐ利便性を有していると言えるのだ。(正確には、ポートライナーは鉄道には分類されないが、ここでは便宜上鉄道として扱う。また、南海電鉄の関西空港駅を含めると、関西空港を発着する電車の運行本数は上記の概ね2倍となる。)

また、ポートライナーを利用して三宮まで出られれば、私鉄・JR・地下鉄・バス路線等に乗り換えが可能で、関西各地へのアクセスも容易である。このような状況下で、リムジンバスが利用者を獲得するためには、運行本数や所要時間等で差別化する必要があるが、神戸空港の現在の旅客数ではバスの運行本数を大きく増やすことは難しい。運行本数を限定的とせざるを得ないという事は、運行頻度を下げなければならないわけで、バスの運行頻度が下がれば、利用者は運行本数が多く時間を気にせずに乗れるポートライナーを選択するという悪循環に陥っているのが現状なのだ。

便数・運行時間帯・所要時間など課題は多いが…

神戸空港ー大阪駅線の時刻表(出典:大阪バス株式会社)

今回、運行が開始されるリムジンバスは1日4往復と、伊丹空港・関西空港発着のリムジンバスの運行本数に比べれば圧倒的に運行本数が少ない。そのため、リムジンバスを利用できるのは実質的に一部時間帯の航空便の利用者に限られる上、所要時間は70~80分・運賃は1000円と、鉄道(ポートライナーとJRの利用で最短約45分・760円)に比べて劣ることから、リムジンバスがどれだけの利用者を取り込めるのかは未知数である。

また、現状は運行時間帯も限定的で、比較的利用者が多い朝(出発便が集中する7時台)・夜(到着便が集中する20~22時台)の時間帯については、利用者を取り込むことが出来ない運行ダイヤとなっている。当面は需要動向を見極めるため、運行本数を絞らざるを得ないという事情は理解できるものの、今後は朝・夜の時間帯にも運行時間帯を広げ、運行本数を増やしていく必要があると言えるだろう。

国際化・阪神高速延伸がリムジンバスの追い風に

神戸空港では、2025年から国際チャーター便の受け入れ、2030年前後からは国際定期便の受け入れが予定されており、関西一円からの集客・関西一円への送客が今後一層期待されている。この国際化と国内線の発着枠拡大によって、空港の利用者数も大幅に増加(2030年ごろの国際定期便の運用開始時点で、現在の倍以上となる年間旅客数約700万人)すると見込まれることから、リムジンバスが路線を開設するためのハードル自体が下がってくる可能性は高い。

特に、海外からの旅行者は神戸だけでなく、京都・奈良・大阪など関西各地を目的地として訪れることから、神戸空港から関西主要都市への移動需要が高まるということは想像に容易く、今後は大阪駅路線に続き、京都駅や姫路駅など関西の主要観光地を結ぶリムジンバス路線の充実にも期待が高まる。

加えて、現在課題となっているポートライナーの混雑解消策としてもリムジンバス路線の充実は非常に有効な手立てである。一定程度の空港利用者(特にラッシュ時間帯の空港利用者)をリムジンバスへ誘導できれば、今後のポートライナーの混雑抑制にも繋がると言えるだろう。

神戸空港~大阪駅までの道路アクセス(出典:NAVITIME)
伊丹空港~大阪駅までの道路アクセス(出典:NAVITIME)
関西空港~大阪駅までの道路アクセス(出典:NAVITIME)

また、今回の開設されるリムジンバスは、基本的に阪神高速湾岸線と淀川左岸線を経由するルートで運行されるが、両路線は一部未完成であり、延伸事業の真っ最中である。湾岸線の住吉浜IC以西では渋滞が発生しやすいハーバーハイウェイ、淀川左岸線の大開IC以東では比較的時間の掛かる一般道の利用を余儀なくされるため、渋滞が見込まれる時間帯の運行便は所要時間が80分と長めに設定されており、時間が掛かる印象は拭えない。

上記画像は、昼12時出発を仮定した大阪駅~関西3空港のルート検索の結果である。大阪駅~神戸空港間が56分という検索結果となっていることからも分かるように、本来は大阪駅からの距離は関西空港よりも神戸空港の方が短く、渋滞が少ない場合には神戸空港の方が関西空港より所要時間が短くなるのだ。(ルート検索の結果は、時間帯によって渋滞の影響を大きく受ける可能性が高い阪神高速環状線・大阪港線・神戸線を利用するルートである。)

今後、2020年台後半~2030年台にかけて阪神高速湾岸線の延伸が、2030年台に阪神高速淀川左岸線の延伸が完了する見込みであり、両路線の延伸区間の恩恵を受けるリムジンバスの所要時間は現行よりも10分以上短縮されることが期待される。延伸工事の完成にはまだまだ時間が掛かるものの、神戸空港への道路アクセスが向上することは約束されており、リムジンバスにとっては将来的に追い風が吹くと言えるだろう。

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