神戸国際化の「あり方」を次回会合で報告へ!第11回関西3空港懇談会が終了

国際線需要が消滅し、厳しい状況が続く関西空港

関西3空港の運用方法を話し合う「関西3空港懇談会」が13日に開催された。

関西3空港懇談会、規制緩和の議論は足踏み コロナ影響

関西、大阪(伊丹)、神戸の3空港の今後の方向性について、関西財界や地元自治体のトップらが話し合う「関西3空港懇談会」が13日、大阪市内で開かれた。コロナ禍の影響で空港利用が激減するなか、将来の成長に向けた規制緩和の議論で目立った進展はなかった。

朝日新聞(2022/1/13)

11回目となる同懇談会では、前回会合からの状況変化や今後の方向性について議論され、「関西空港の発着能力強化」や「神戸空港の国際化」について触れられた。

航空需要受け入れの中心となる関西空港は、オープンパラレル滑走路を有しているが、現在の飛行経路では発着能力に限界がある。そのため、現状の空域利用を前提に「関西空港の発着能力」を再検証するよう、国土交通省へと要望した模様である。

また、神戸空港の国際化については、次回会合までに国際化を含めた「あり方」を検討し、次回会合で報告するという方針が関西エアポートの山谷社長から示された。

加えて、関経連の松本会長は神戸空港のハード面での課題を改めて指摘。新ターミナルビルや空港アクセスの強化について、神戸市側からの具体的なアクションを求めた。

これまで、神戸市は神戸空港のアクセス改善の具体策として「空港連絡橋の拡張」と「シャトルバスの増発」を既に着手しているが、その場しのぎ感は拭えない。だが、かといって当サイトや経済界が提案している鉄道路線の新設は比較的ハードルが高く、神戸空港が確実に国際化され、発着枠等の運用規制が緩和・撤廃されることが確実とならないことには、神戸市も事業に着手出来ない。

加えて、現在の神戸空港におけるターミナルビル・エプロン(駐機場)で受け入れることも明らかに不可能である。そのため、神戸空港の国際化にあたっては、空港施設の拡張も交通アクセスの改善と共に避けては通れない。

神戸空港の国際化が具体化していない中での関経連松本会長の発言は、ある意味で無責任ではある。しかし、神戸市も「この段階まで運用拡大されることが決まれば、鉄道敷設・空港施設の拡張に取りかかる」といった仮のビジョンを今後示していく必要があるとも言えるだろう。

未だに猛威を振るう新型コロナウイルス。その終息時期は依然として見通せないが、その先にある航空需要を確実に受け止めるためには、関西3空港の機能強化に関する議論を停滞させることは許されない。

次回会合では、神戸空港国際化の青写真がある程度描かれていることを期待したい。

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